日本の財政破綻で起きること・起きないこと

日本の財政破綻はハイパーインフレが起きる可能性が高く、ハイパーインフレで起きること・起きないことを紹介します。

起きること

かつて財政破綻したロシアやアルゼンチンを例に、日本のハイパーインフレでは次のことが予想されています。

  1. ハイパーインフレ:物価は2倍以上に
  2. 超円安:1ドル200円へ
  3. 消費税は27パーセントへ
  4. 国外逃亡が加速
  5. 治安の悪化
  6. 倒産・リストラが急増
  7. 失業率は低下
  8. 停電の頻発
  9. 公務員の退職金・ボーナスの大幅カット
  10. 公共サービス・政府機関の一部停止

超円安:1ドル200円へ

経済学者によって異なりますが、日本が財政破綻すれば1ドル150円~250円まで円安になると予想しています。

ハイパーインフレ:物価は2倍以上に

そこで、「1ドル200円になる」としてシミュレーションします。

NEWSポストセブン「円安恐慌 1ドル200円ならガソリン1リットルは250円にも」で1ドル200円時のガソリン価格を次のようにシミュレーションしています。

ガソリン価格は1円の円安になれば1円上がる。1ドル=200円なら1リットル250円の世界だ。

1ドル100円から200円へ2倍に上がれば、輸入品の価格が単純に2倍へ上がるのではなく、生産者は売上減少分を補うためさらに値上げし、物価が2倍以上へ値上がるでしょう。

消費税は27パーセントへ

消費税を1パーセント上げると2兆円の税収増になります。つまり、20パーセント上げれば40兆円の税収が見込めます。

この40兆円という額は、国の平成26年度歳入予算の所得税・法人税・消費税すべてを合わせた額とほぼ同じです。つまり、消費税は大きな歳入効果をもたらします。

平成26年度一般会計予算
(出典:財務省「平成26年度一般会計予算」

よって、消費税率世界1位のハンガリーと同じく、日本の消費税率も27パーセント前後になるでしょう。

国外逃亡が加速

海外へ留学する若者は10年間で半分になったにもかかわらず、海外へ移住する日本人は年々増え、現在は100万人を超えています。

日本が破綻しても、影響をほとんど受けないのは海外です。日本の福祉が崩壊しても大増税しても、海外に住めば影響を受けません。国家破綻後はさらに国外へ移住する人が増えるでしょう。

失業率は低下

ハイパーインフレになると失業率は下がるで紹介しましたが、ハイパーインフレになると合法的に低賃金で労働者を雇えるため、失業率は低下します。

停電の頻発

2001年に破綻したアルゼンチンでは、「売ればカネになる」という理由で電話線が盗まれる事例が発生しています。当然、その地域で電話はできません。

同様に日本で財政破綻が起きれば、電線の盗難により停電が頻発する可能性があります。

起きない・可能性が低いこと

日本の国家破綻後に起こると言われていることの中には、可能性が低いこともあります。

  1. 年金支給額の減額
  2. 全銀行破綻・預金の完全封鎖

年金支給額の減額

年金支給額の減額は、国民ならびに野党の猛反対が予想されます。

そこで、年金支給額の減額をせずにお金を市場にばらまいてハイパーインフレを起こすことで、実質的な年金減額を行うでしょう。

よって、財政破綻後も年金支給額は変わらない可能性があります。

ただし、年金の一時的な支払いの滞りは起こるかもしれません。

全銀行破綻・預金の完全封鎖

銀行が倒産すれば、銀行から融資を受けている多くの企業も資金繰りが悪化して倒産します。

そこで、政府は銀行だけは多額の援助を行います。リーマンショック時も、アメリカの銀行は政府からの多額の援助によって救済されました。

また、預金の完全封鎖も考えにくいです。なぜなら、預金封鎖を国会で議論すれば、その段階で焦った国民が預金を大量に引き出し、銀行の倒産につながるからです。

ただし、預金封鎖の可能性はゼロではありません。銀行を保護するために預金封鎖を緊急措置として実施する場合があります。

預金の引出制限やATMの利用を停止する可能性も十分あります。