日本に豪邸が少ない理由
100万ドル(1億円)以上の資産を持つ富裕層は日本に360万人おり、世界第2位です。しかし豪邸は少なく、海外のように数百億円もする住宅はほとんどありません。日本に豪邸が少ない原因は
- 駅周辺に施設が集中し、郊外に建てると不便
- 投資としての魅力がない
- 重い税負担
によるものです。
日本は駅周辺に施設が集中しており、郊外に建てると不便
日本の郊外に下の写真のような豪邸はあまり目にしません。
(出典:Wikipedia「ロスチャイルド家」)
日本の場合、銀行や大型スーパー、レストラン、オフィスビルなどのあらゆる施設が駅周辺に集中しています。そのため便利な駅前に住宅を建てようと思っても、土地代が高いことがネックです。
反対に、土地価格が低い都市郊外や田舎に住宅を建てても、上記のような施設からは遠くて不便です。
投資としての魅力がない
NEWSポストセブン「大前研一氏 600万円で買った車が半年後に300万円台になり嘆く」で紹介されていますが、経営コンサルタントの大前研一氏によると、
私の経験では新車価格600万円のレクサスが、半年後の査定で300万円台になった。これがオーストラリアだと、600万円で買い、12年間で20万キロ走ったパジェロに350万円の値がついた。このように中古でも高い値で売れるのが世界の常識であり、住宅や車は貯金に代わる資産でもあるのだ。
と述べており、中古住宅でも高い価格で売れるのが世界の常識です。また、オーストラリアでは購入時より売却時の価格の方が高い場合もあり、住宅は投資としても魅力的です。
一方、日本では新築に比べて中古住宅の価格は非常に低く資産としての価値は低いので、投資としての魅力はありません。よって、住宅は資産運用として使えません。
税金が高すぎて、豪邸の資産価値は半分に
日本に、豪邸が少ない一番の原因は、税金が高すぎることです。毎年固定資産税が課せられ、相続税率は55%もあります。
毎年、固定資産税や都市計画税がかかる
1億円の豪邸を購入した場合、固定資産税と都市計画税合わせて42万円の税金がかかり、(毎年資産価値が同じで)50年住めば2100万円の損失です。
相続税率55%、資産の半分はなくなる
そして、「相続税」が高すぎます。2013年度の最高相続税率は55%であり、仮に世帯主が数十億円の資産を持って亡くなると、家族がもらえるのはその半分。基礎控除や配偶者控除などの軽減措置はありますが、資産があればあるほど控除の価値はなくなります。
生前に住宅を贈与することで相続税から逃げる方法もありますが、贈与税も高く、豪邸の場合は資産の半分が取られます。スーモジャーナル「親から豪邸プレゼント。うらやましいけど実は大変! 贈与税問題」でも紹介されていますが、2億円の豪邸を贈与すれば、9720万円の贈与税がかかります。
富裕層は駅前の超高層賃貸住宅がベストな選択
「重い税負担」から逃れ、「何かと便利な駅周辺」に住むには、賃貸が優良な選択です。
高級賃貸マンションランキングで紹介しましたが、日本の高級賃貸マンション1位は駅前に建てられており、富裕層は駅前の超高層賃貸住宅がベストな選択です。