家電は大量仕入れで安くできるのか
よく言われる家電量販店の安さのカラクリは「大量に仕入れて価格を下げる」ですが、実際にはアフターサービスの低下と、人件費の大幅カットによって価格を下げています。
ショップ99は大量に仕入れて赤字になる
ほぼすべての商品が99円のコンビニ「ショップ99」は創業当初、大量に商品を仕入れれば、その分購入単価が安くなり、利益が出ると考えました。
実際に商品の大量仕入れをしたところ、結果は大赤字。
なぜ赤字になるか? 在庫が増えるからです。
在庫がたくさんあると倒産する
PRESIDENT社「なぜ儲かっている会社でも倒産するのかによれば」
2008年度の上場企業の倒産件数は戦後最悪の45件。そのうち、決算書上では利益を出しながら倒産に陥る、いわゆる黒字倒産が21件にも達した。リーマン・ショック以降、業績は好調なのに資金繰りに四苦八苦する企業が後を絶たないのである。
なぜ、儲かっているのに資金繰りに苦労し、しまいには倒産してしまうのか。資金繰りコンサルタントの肩書を持つ小堺桂悦郎氏は、「キャッシュフローが滞り、売り上げと入金にタイムラグが生じるから」と語る。
資金繰り悪化の要因は何か。その筆頭にあがるのが、「在庫がたくさんある」状態である。
倒産した上場企業の約半分が、黒字経営にもかかわらず大量の在庫が原因で、経営が悪化しました。
つまり商品の大量仕入れで価格を安くすると、その分在庫が増えるため、倒産のリスクが高まります。そのため、売れる量を的確に判断して仕入れることしかできません。
逆に言うと、的確な量を仕入れることができれば、在庫がなくなり赤字が出ないため、安く販売できます。
本当に安くする方法は、サービス低下と人件費削減
ヤマダ電機の安さの裏で紹介しましたが、ヤマダ電機が商品を安く販売できるのは「業界ワースト1位のアフターサービス」と「違法労働・環境破壊」によるものです。
私が読んだ「ヤマダ電機の安さの秘密」を特集している記事では、専門家が「大量に仕入れて安くしている」と、述べていますが、もちろんウソです。(その専門家はヤマダ電機から金銭等をもらっているのでしょう。)
結論:大量に仕入れてもほとんど安くできない
大量に仕入れると倒産のリスクが高まるため、的確な量しか仕入れることができません。
本当に、大量仕入れで価格が大幅に下るなら、様々なお店が共同購入で仕入れるはずです。しかし、そのような共同購入の例は、ほとんど耳にしません。
価格を本当に下げるには、ヤマダ電機のように「業界ワースト1位のアフターサービス」や「違法労働・環境破壊」が関係してきます。