エコカー補助金の良悪
2012年、エコカー補助金が復活しました。
これから新車を買おうとしている方、自動車関係で働いている方にとってはありがたい制度。でも、車に乗らない方から見れば、「なんで予算3000億円もかけて実施するのか」、「福祉にお金をかければいいのに」、と批判するかもしれません。
政治と経済の視点から見たエコカー補助金の良いところ、悪いところを解説します。
円高ドル安ユーロ安で日本企業は苦悩の日々
2007年、2008頃年まで1ドル120円、1ユーロ160円でした。しかし、最近は1ドル80円と異常な円高になりました。さらにユーロも大きく変化。1ユーロ100円までユーロ安に。この影響で日本企業は外国で儲けた利益が、縮小します。現在の為替相場はヤフーファイナンス
外車の宣伝を最近よく見るのは・・
私は新聞の広告欄で外車の宣伝広告を最近よく見かけるようになりました。広告が多くなった理由は、アメリカやヨーロッパの自動車メーカーにとって、ドル安・ユーロ安になれば利益が増大するからです。
反対に、国内主要自動車メーカー8社の広告宣伝費動向によると、日本の自動車メーカーは宣伝費が減少しており、厳しい時期に直面しています。
失業者が町に溢れ出る
外車の売上が増えれば、もちろん日本車の売上は落ちます。日本の自動車メーカーの業績が下がれば、自動車メーカーに部品を供給している多くの中小企業も業績が下がります。
長期間、売上が低迷すれば従業員を解雇せざる負えません。自動車産業は非常に大きく、日本自動車製造業に携わる就業者の数によれば日本の自動車製造業に携わる就業者は2005年度89万人います。
失業者が増えれば・・
失業率が増えれば与党は選挙で負けます。詳しくはなぜ、野田総理は原発を再稼働するのか?ー中立的な立場からーへ。
選挙で負けたくない政府は、雇用を維持する必要があり、日本の自動車メーカが有利になる制度を作る必要があります。
政治資金が手に入る
政府にとっていいことがあります。政治資金が手に入るのです。
ダントツのトップ トヨタの企業献金によれば、総務省が発表した2010年度分の政治資金収支報告書で、トヨタ自動車が自民党に献金した額は5140万円、大企業でダントツのトップでした。(2位はキヤノンの2500万円、3位が日産自動車の2100万円)
自動車メーカーは「エコカー制度法案」成立と引き換えに民主・自民・公明党へ政治資金を送ります。民主・自民・公明党は政治資金が手に入れば選挙で有利なります。
反対に、企業献金をもらっていない共産・社民党は選挙で資金面で不利になります。
大きな政党は更に大きく、小さな政党は更に小さくなってしまいます。
結論:エコカー補助金は良い部分も悪い部分もある
エコカー補助金は単純に良し悪しの判断がしにくい制度です。エコカー補助金がなければ、福祉に莫大な投資ができます。しかし国内の自動車メーカーを全く保護しなければ、失業者が増えます。
エコカー補助金に賛成か否かは難しいところです。