なぜ、橋下市長は原発を容認したのか?
原発推進派でもなく反対派でもない立場から、経済と政治の観点で、橋下氏の原発政策の転換の疑問について考えます。
なぜ、「脱原発」から一転、「原発再稼働」へ変わったのか
福島第一原発事故の後、橋下氏は「脱原発」と言って国民の支持を増やそうとします。衆議院選挙を目前に控え、「脱原発」で票を獲得しようと画策した橋下氏、なぜ、原発「容認」へ変わったのでしょう。
ズバリ、原発再稼働の理由は失業者が増加するのを防ぐためです。なぜ、野田総理は原発を再稼働するのか?にも述べましたが、経済と政治上の理由が関わっています。
企業にとって「納期遅れ」は深刻な問題です。納期遅れは企業の信用を失うため、業績悪化につながります。電力不足になれば機械が動かないため「納期遅れ」になる可能性があります。
関西の企業(特に資金のある大企業)は電力不足を懸念して関西以外の地域へ移転します。大企業が移転すると、関連する多くの中小企業が業績が悪化するため、政府は法人税等の歳入が大幅に減ります。
さらに深刻な問題があります。職場が移転するため、関西で働いていた大多数の従業員は解雇されます。
失業率が増えると政府への不満が増えるため、選挙で負けます。(オバマ大統領は失業率を抑制できなかったため、中間選挙で議席を大きく失いました。)
橋下氏の作戦:加害者から被害者へ
脱原発宣言を撤回した橋下氏がするべきことは自分が被害者のように見せることです。「原発再稼働は自分が決めた」(加害者)のではなく、「関電や政府の圧力に負けた」(被害者)のせいであると。
橋下氏が被害者のように見せるため、テレビや雑誌、新聞、ネットを使い、関電や政府の圧力を強調させる必要があります。
結論:選挙で負けたくないために「原発再稼働」
橋下氏は次の選挙で負けたくありません。そのため、電力の安定確保をする必要があります。よって、原発再稼働を決めたのでしょう。
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